さて今回は初めてとなる米軍の寒冷地用レーションであるMCW（Meal, Cold Weather）のメニュー2を食べてみようと思いますが、同時にMCWレーションの大まかな紹介をしようと思います。
このレーションの裏側です。何も記載されていないところはMREレーションと同じです。MCWは元々長距離パトロール用レーションであるLRPレーション（Food Packet, Long Range Patrol）を発展させたものなので、LRPレーションと同じくフリーズドライ食品が用いられています。
MCWのパッケージの表面にはナティック研究所のマークが描かれています。ところでこの兵士はどんなヘルメットを被っているのでしょう？見たところ海軍のMK2ヘルメットのようですが。
今回のMCWはアメリカル社製ではなくワーニック社製です。といってものMCWレーションはワーニック社製以外のものはまず見かけないので必然的にワーニック社製のレーションを手に入れることになりました。ワーニック社製なのでMCWの袋には検品日の刻印が一切ありませんでした。
またMCWレーションはLRPレーションとは違い、LRPレーションだと1日分（3食分）のものがMCWレーションだと一食分になっているところです。なので当然摂取カロリーが上がり、一食分で1500キロカロリーほどになります。そうすることで寒冷地での活動エネルギーを供給できるというわけです。上の写真はフランス軍の24hレーションとMCWレーション×３との比較です。MCWレーションはかなり頑張っているのですが、それでもフランス軍のレーションのコンパクトさにはかなわないようです。
3つのMCWレーションの重さを計ってみました。結果は3つとも500g程度になっています。フリーズドライ食品なのでMREよりも軽くなっています。
開封
では早速MCWレーションを開封してみましょう。ワーニック社製なので中袋は無いのですが．．．
その代わりに外袋がMREの物よりかなり開けづらくなっています。これは本当に「Peelable Seal」なのでしょうか？
これが主食のオリエンタルライスです。主食はフリーズドライ食品なのでご覧のように真空パックされており、重さも150gほどしかありません。
この主食を製造しているのはマウンテンハウスという会社です。マウンテンハウスはアウトドア用のフリーズドライ食品を製造していることで有名です。
主食の戻し方です。16oz（約473ml）のお湯を入れてかき混ぜて10分間待つと出来上がるようです。
原材料表は主食の側面に記載されていました。
これがデザート類です。左上から時計回りにクランベリー、ナッツレーズンミックス、グレープジュース、レンジャーバーです。デザート類はMREとほとんど変わりがないですね。
これが付属品類です。アクセサリーキットとスプーンだけです。
刻印からこのアクサセリーキットはMCW専用の物で一種類しかないようです。どのようなものが入っているのか開けて確かめてみました。
これがそのアクセサリーキットの中身です。ご覧のようにMREのアクセサリーキットとほとんど中身に変わりがありません。MREの物との違いは一体何なのでしょうか。
アクセサリーキットの袋には梱包時に混入したと思われる紙片が挟み込まれていました。下手すると気密性にかかわることなので品質管理をしっかりしてほしいところです。
実食
主食
これが主食です。普通においしいそうですね。
主食の袋を開けると中からフリーズドライされた主食が出てきました。そのまま食べると味の濃いスナック菓子という感じです。これに16oz（約473ml）のお湯を入れてかき混ぜて10分間待つと．．．
こんな感じになりました。見た目は相変わらず悪いですが食べてみるとスパイスの味が濃く辛いです。ですが肉や野菜などの食材の食感と味はかなり生きています。恐らく普通のMREよりも生きているのではないのでしょうか。それに加えてアジアンビーフストリップスと同じくクワイが入っているので食感が抜群です。味も何となくですがそれに似ている気がします。総じてMREよりも美味しいです。ですがMREと違うところもあり、それは量です。寒冷地でもエネルギーを得るために主食の量がMREよりも多くなっており、恐らくMREの倍の量があると思います。なので食べきるのが大変でした。
デザート
これがデザート類です。MREのものと変わりはありません。
レンジャーバーはいつ食べたのか忘れてしまいましたが、パサパサのカロリーメイトといった感じです。このバーよりもパウンドケーキがあると嬉しいのですが。
ナッツレーズンミックスはご覧のようにナッツとM&Mチョコレートとレーズンが入っているものになります。なのでカロリーは高く、寒冷地でも大丈夫そうです。
クランベリーの量は相変わらず多いですね。この量を一度で食べきるのはきついです。
グレープジュースを水に溶かす前はこんな感じで、これに12oz（約354ml）の水を加えると．．．
こんな感じになりました。少々溶け残りがありますが味は普通のグレープジュースです。ジュースを入れているキャンティーンカップは普通のキャンティーンカップなのですが、実際にこのレーションを食べる時は寒冷地なので寒冷地用のキャンティーンカップ（普通の物より背が低い）を使うのでしょうか？あのキャンティーンカップだとあまり入らないような気がしますが。
総評
今回は初めてのMCWレーションでしたが、主食のオリエンタルライスは通常のMREの主食に匹敵するかそれ以上の実力を持っていました。ですがデザート類がほとんどMREと同じだったのが少し残念です。MCWレーション用のデザートがあればなと思いました。